地元の食材たっぷりの学校給食で、いきいき町づくり
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問い合わせ先
JA東とくしま よってネ市
〒771-4303
徳島県勝浦郡勝浦町大字生名字太田45-1
電話0885-42-4930
営業時間7:00〜15:00
定休日 月曜

地元の産物で給食に郷土料理

「ふれあい給食」も始まった

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この日のメニューは、人気ナンバー1のカレーうどんに、ピーナツ和え、梨、黒糖パン、牛乳。カレーうどんの玉ねぎ、ピーナツ和えのキャベツ、きゅうりが地場産の野菜だ。

 午前8時、給食用の野菜を乗せて「よってネ市」を出発した軽トラックは、勝浦町給食センターに向かった。給食センターでは、生比奈小学校、横瀬小学校、勝浦中学校の3校の給食をつくっており、できあがった給食は調理員が運転する専用トラックで各校に配送される。 

 さて、本日の給食メニューは人気メニューナンバー1のカレーうどん、ピーナツ和え、梨、黒糖パン、牛乳である。カレーうどんに使う玉ねぎ、ピーナツ和えのキャベツ、きゅうりは地場産の野菜だ。

 地場産給食の立ち上げ時に勝浦町給食センター勤務だった早川さんは、その後2年間の県教育委員会勤務を経て、この4月から、給食センターの管理栄養士および生比奈小学校栄養教諭として帰任した。そこで、以前「よってネ市」生産者などを招いて行っていた試食会を定期化しようと、まずは給食センターに隣接する生比奈小学校で「ふれあい給食」を開始した。

「勝浦の子どもたちはしあわせもんです」

 1回目の「ふれあい給食」は、6月19日食育の日に町長と副町長を招いて開き、今回は3回目。各学年1クラスの生比奈小学校では、3年生と4年生の教室にPTA役員のお母さん2人と給食センター調理員2人を2人ずつ招いて、いっしょに給食を食べる。

 給食時の教室はわいわいとにぎやかで、招待客はいくぶん緊張気味のようす。子どもたちは次々におかわりし、カレーの大鍋はもはやからっぽだ。給食が一段落したところで、3年生に、「うちの人が「よってネ市」に野菜を出している人は?」と聞くと、「おばあちゃんが出しているよ」「お母さんが働いている」と、クラスの半数近くが手をあげる。

 「昨日のすだちは、近所のおじいちゃんがつくったんだよ」という声も。サンマの塩焼きにすだちが添えられたとのことだが、給食にすだちとは、さすが産地である。

 私たち取材班も給食をいただくことになった。カレーうどんもピーナツ和えも野菜がたっぷり入り、育ち盛りの子どもたち向けにボリュームがありながらも、さっぱりとした味でおいしい。「勝浦の子どもたちはしあわせもんです」という、「よってネ市」店長の西尾さんのひとことを思い出す。

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給食センターでは6人の調理員で500食分の給食を作っている。できあがったら、トラックに積み込み、各校に配送。

給食メニューに郷土料理

 給食には月に2、3回、徳島の郷土料理が取り入れている。
ある日の献立は〈ごはん、牛乳、カツオの沖なます、きゅうりもみ、阿波尾鶏の具だくさん汁〉、またある日は〈ごはん、牛乳、メルルーサの南蛮漬け、そば米汁〉というように献立にさりげなく加わる。

 「カツオの沖なます」いわばカツオのハンバーグで、カツオに塩をふってもんだことから「なます」と呼ばれる漁師の船上料理、「阿波尾鶏の具だくさん汁」には、徳島の地鶏と地場産の野菜がたっぷり入る。「そば米汁」は平家の落人によって伝えられたとされ、粒のままのそばを汁に仕立てた徳島を代表する郷土料理だ。

 郷土料理とは言い換えれば、その土地でとれる作物を上手に活かした料理である。
昔から土地に伝えられてきた郷土料理を、給食の献立に積極的に加えることによって、子どもたちに伝えていきたい。「きょうの給食はそば米汁だったよ。うちでもつくって」と、家庭で話題になれば、家庭でつくり続けられるきっかけにもなる。

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そば米汁(撮影者:小倉隆人氏『聞書き 日本の食生活全集 徳島の食事』(発行 農文協)より)

高校でも給食が食べたい

 早川さんは勝浦郡内の中学校の卒業生に会うと、「給食を食べたい」「つくり方を教えて」と声をかけられる。また、勝浦町の県立勝浦高校に進学した生徒からは、「給食センターで勝浦高校の給食もつくって」と、声をかけられるという。

 そんな話をしながら早川さんは、以前、勝浦中学校の卒業記念として贈った「給食レシピ集」を見せてくれた。リクエストが多いという、タコのマリネ、きなこパンなどのつくり方が料理写真とともに記されている。給食の思い出というだけでなく、自炊の参考になるかもしれないと考えて手づくりしたとのこと。

 早川さんはまた、学校給食にゆくゆくは、勝浦高校の生徒が育てた農作物も取り入れたいと考えている。勝浦高校は園芸科と普通科のある高校で、園芸科の生徒は実習で野菜を育ているからだ。地場産の食材を使った給食で育った子どもたちが、高校の実習で丹精こめた野菜を給食に出荷し、ゆくゆくは勝浦町の農業を担う人材として育つかもしれない。地域に根をはった食育の輪がつながっていく。

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卒業記念で贈られた「給食レシピ集」。自炊の参考になるかもしれないと考えて手作りした。

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高校に行ってからも食べたくなる給食を作っている管理栄養士の早川さんと調理士の皆さん。


◆参考サイト:
《徳島県立勝浦高等学校》 http://www.katsuura-hs.tokushima-ec.ed.jp/