苗づくり=農家づくり
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問い合わせ先
新島村ふれあい農園
〒1001-0400
東京都新島村字御子の花465
電話 04992-5-0539
FAX 04992-5-7096
http://www.niijima.com/farm/

苗づくり=農家づくり

 新島村では平成17年〜19年にかけて国の事業である「経営構造改善事業」をおこなった。東京島しょ農業協同組合(JA島しょ)が事業主体となり、島内に40棟のストロングハウス(通常のビニールハウスよりも風雨に強いもの)が建設された。そしてそのハウスのうち10棟が野菜栽培を目的としたもので、島内の3名の農家が野菜栽培を開始している。

 ハウスが導入されたことにより、露地栽培とは時期をずらした野菜の栽培が可能となった。農家はトマトとキュウリをメインとした各種野菜の抑制・促成栽培にチャレンジしており、「新島村ふれあい農園」ではそれらの苗を栽培する農家の支援をはじめている。

 新島のスーパーなどで販売されている野菜のほとんどは島外産であるし、若い主婦層を中心に生協を通した野菜の購入も盛んである。それだけを見ると島内で購入される野菜の多くは地場産ではないことが想像できるが、一方で「JA新島店」に常設されている直売コーナーでの売り上げが毎年増加しているという事実もあり、消費者の中には地元の新鮮な野菜を入手したいというニーズがあることも確かである。

 そこでハウスを活用した野菜栽培農家は、地元への生産物の安定供給を目的としてとりくんでいる。そのために品質の高い苗を生産することも「新島村ふれあい農園」の重要な任務であり、苗づくりは地産地消を促進する「農家づくり」ともいえるのではないだろうか。

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新島村ふれあい農園スタッフによる苗づくりのようす。キュウリの接ぎ木作業をしているところ。
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構造改善事業で導入したハウスを利用した促成トマトの栽培

苗づくりは離島活性化のモデルになれる

 以上、「新島村ふれあい農園」の苗づくり活動をとおして、新島の農業の様子や動きのいくつかを紹介してきた。昔から「苗半作」といわれているように、健康な力強い苗をつくれるかどうかが収穫物の良し悪しを決めてしまうことにもなってくる。

 また、苗づくりという活動は、ただ単によい収穫物を得るためだけでなく、広い視点で見ると、地域の農業力の基礎となりえる。それによって特産化力、加工力、健康力、元気力、教育力、産業力などなど、まさに「地域力・地元力」を高めることになるのではないだろうか。

 今回報告した新島の小さな苗づくりの活動は、多くの離島の農業づくり、地域づくり、活性化の一つの参考事例となるのではないかと思われるし、そうなると嬉しい限りである。

 新島の畑の中にできた「新島銀座通り」では、インジー、ウンバーたちの元気な声が行き来する。

 さあ春本番!! 農園苗づくりスタッフが意気をみせるときである。

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箱バン・軽自動車が並ぶ農道は、まさに「新島銀座通り」

◆参考文献:
『さつまいも』坂井健吉著 法政大学出版局1999年