味わいで選ばれる米粉パンの時代へ

地元の米でつくる
福盛式シトギ 米粉パンの教科書

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食料・農業・農村
「21世紀の日本を考える 第46号」より

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国のルールづくりは絶対条件

――どこのお米を粉にするかという点では、福盛さんはとにかく国産米を応援していますね。


福盛 そう海外から入ってくる事故米、偽装米なんてもってのほか。でも、米粉パンが一般的になったら、絶対安い外米を使おうという業者が現われるでしょう。僕はいわば、それをさせないために特許を取ったのです。一つは米粉パンの製法で、さらにおいしくパンが焼き上がる粒度で特許を取っています。

 外国の米を米粉パンに使ってほしくない、まがいものの米粉パンを流通させたくないという点では、以前から、国にルールづくりをしてほしい、法律をつくってほしいと要望を出しています。具体的には、原料・原産地表示の義務化、米粉と米粉パンの品質基準の整備ですね。

 民がこれほど頑張っているのだから、官もそれを支えるモラルを示してほしいのです。食品は人の健康や命に関わるものなのだから、これは絶対条件でしょう。そうでないと、せっかく地方で真面目にやっている人たちが浮かばれなくなってしまう。

 これから米粉に関わってくる人たちも、そうした要望をぜひ官に出していってほしい。自分がきちんとした仕事をして、それがちゃんと評価されるように、自ら働きかけなければ……。そうして相乗効果でいいものを生みだしていくようになってほしいと思っています。


福盛幸一推奨の製粉所
新潟製粉株式会社 〒959-2801 新潟県胎内市近江新319 TEL 0254-47-3510
日の本穀粉株式会社 〒113-0032 東京都文京区弥生2-3-10 TEL 03-3812-1157
片山製粉株式会社 〒581-0065 大阪府八尾市亀井町2-4-44 TEL 0729-22-7532
株式会社高橋製粉所 〒910-0843 福井市西開発3-701 TEL 0776-54-5681
増田製粉株式会社 〒733-0833 広島市西区商工センター7-3-23 TEL 082-277-5741
株式会社アクティブ哲西 〒719-3701 岡山県新見市哲西町矢田3585-1 TEL 0867-94-9017
*福盛式の製法に則った製粉法、粒度で製粉できる製粉所です。

――今後の課題としては、消費をどう喚起していくかも重要です。今後の大手の動向は、どう考えていらっしゃいますか?


福盛 これからは、グルテンと米粉を混ぜたパンよりも、米粉と小麦とを混ぜたパンが出てくるのではないかと考えています。

 米粉は水分を吸収するから、小麦だけの生地より質感がしっとりとして、きめ細かい生地になる。そのうえ作業性が向上します。また国産の米粉と国産の小麦を結びつけると、国産小麦の老化の早さを補うようにもなるんです。

 小麦アレルギーの人に向けては米粉一〇〇%のものがあり、その一方で、米粉と小麦を混ぜたパンもできていけば、総体として米の需要が喚起されます。新しい需要が生まれ、最終的に農家の利益になるなら、僕はその形もありだと思っています。


――一般の家庭向けでは、いかがでしょう?


福盛 僕が監修した「米粉一〇〇パーセントでパンが焼けるホームベーカリー」が秋に発売されます。米粉は新潟県の胎内産のものをセットにしています。家庭でも安全な、しかもおいしい米粉パンができるというわけ。

 地域の米粉パン、大手製パン業の米粉パンも、どれもが安心して、おいしく食べられるものになってほしい。そのためには供給する側の意識がまず問われます。

 真面目な農家と連携し、その食材を目一杯生かしていくような商品づくりにぜひ取り組んでほしい。そこでは多少のコスト高も、たいした障害にはならないはずです。きちんといいものを出していくことが米粉パンの評価を高め、売る側も買う側も幸せになれる道だと信じています。



◆参考サイト:
福盛パン研究所
http://www.aoimugi.com/


(まとめ・フリーライター 山﨑弥生実)