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おしっことうんちがお米を育てる
自己紹介も早々に、田村啓二さんは2つの言葉を黒板に大書した。そのとたん、子どもたちからくすくすという笑いがこぼれ、教室全体に広がる。黒板にはこう書かれていた。
「おしっこ・うんち」
築上町産業課課長補佐の田村さんは、田植え前のこの時期、社会科で稲作を学ぶ町内の小学校で、築上町の循環型農業について教える講師として教壇に立つ。2002年から始まった循環授業は8年を迎え、講師ぶりも板についている。この日は、築上町立八津田小学校の5年生の教室を訪れた。

産業課課長補佐の田村啓二さんは、稲作について学ぶ5年生を対象に、循環型農業を学ぶ「循環授業」を行っている
子どもたちの関心を引きつけたところで、田村さんはすかさず全員にペットボトルを配る。
「みなさんのおしっことうんちでつくられた肥料です。においを嗅いでみてください」
蓋を開けると、液肥のにおいが拡散する。注ぎ口に鼻を近づけた子どもたちは叫んだ。
「わあ、強烈! くさい!」
ほとんどの子どもが鼻をつまみ、ペットボトルを体から離して蓋を閉める。
「みなさんのおしっこやうんちを発酵させると、この液肥ができます。梅干しなどの漬物、みなさんが秋につくる味噌、ビールや焼酎などのお酒も発酵させてつくります。でも、それまで築上町では、おしっこやうんちを捨てていました」
「わあ、もったいない」
「ごはんを食べればおしっこやうんちが出ます。そのおしっこやうんちを捨てないで、利用すれば、お米を育てる液肥になります。そして、その液肥を田んぼに撒けば、みなさんの食べるお米を育てます。そのうえ、ごみが減り、捨てるためのお金もかかりません」
授業を終えると給食の時間だ。ごはん茶碗を手にした女の子がこうつぶやいた。
「いままで何とも思わなかったけど、今日はお米が輝いて見える。

最初は液肥を「くさい」とペットボトルを遠ざけていた子どもたちは、循環授業で液肥への理解を深めていく。授業を終えると液肥を自宅に持ち帰り、自ら自宅の庭などに撒くという
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