地域循環型農業で実現した完全米飯給食
MAP

和食中心の完全米飯給食へ移行

 地場産米の導入を実現させた旧椎田町では、週3回の米飯給食を5回に増やす完全米飯給食への移行に着手する。椎田町と築城町ではともに自校方式を維持してきたが、米飯については小規模校が炊飯の設備をもつ一方(自校炊飯)、大規模校では業者に委託していた(委託炊飯)。合併後の築上町では、大規模校にも炊飯施設を増設し、調理員を増員して自校炊飯の体制を整備する。

 築上郡3町では県職員の栄養士が統一した予定献立を立て、各校の調理師はそれに基づいて給食を調理している。完全米飯給食の実施にあたっては、週に2回はパンを主食にしていた予定献立を、米飯に合わせて変更しなければならなかった。モデル校になった八津田小学校では、栄養士や調理員から成る「献立委員会」を組織し、独自の献立作成に着手した。同委員会に参加した福岡教育大学教授の秋永優子さんが脂質を抑え、旬の地場産農産物を取り入れた和食中心の代替案を作成し、同小の設備や調理員の配置、衛生管理上の制約でも調理できるかどうか検討を重ねる。

「米飯給食にはさまざまな優位性がありますが、脂質からのカロリーを抑えられるという利点があります。そのため、できるだけ揚げ物の少ない献立を考案しました」(秋永さん)

 2007年に八津田小学校で開始した完全米飯給食は、現在6校にまで拡大。来年には町内の全小中学校で実施される。文部科学省によれば、完全米飯給食を実施している学校は5%にあたる1,500校にすぎない。しかも、自校方式からセンター方式に変え、センター方式の運営も民間委託する自治体が増えるなかで、なぜ築上町では施設を整備し、調理員を増員してまで自校方式による完全米飯給食を推進するのかという問いに、町長の新川久三さんはこう答える。

「築上町誕生後初の総合計画の基本理念は、『築上町は子どもの生命を護る』です。子どもの心と体を育む教育は食育と環境教育であり、食育の基本は学校給食と考え、自校炊飯による米飯給食、しかも完全米飯給食を推進しているのです」

写真 写真
八津田小学校の調理室には、学級の数と同じ数だけのガス炊飯器が並ぶ。町内の生産農家が育てた米を3人の調理員が心を込めて炊き上げる